ウェアラブル製品の実装問題1

ウェアラブル製品の実装問題1

ウェアラブル製品は、基板のみならず全ての部品が小さくなりそのはんだ付け端子部(ランド部)は目視の限界まで小さく且つ狭くなっています。
単なる実験レベルでは特に問題なく実装出来ますが、実際の量産ラインでは周りの部品やシート基板の反り等管理技術を要します。FPCの量産現場では生産量と納期等からも個々の修正や解析を行う余裕が無く廃棄されている状態が見られます。

マウンターメーカーは0201チップサイズまで対応できるようになっています。
はんだ供給は、ディスペンサーは全てのサイズに対応できますが生産性を考慮すると一括印刷したいところです。

マスクメーカーは0201チップサイズのクラスでは40~60µ厚のマスクで印刷を提案していますが、同時に搭載される周りの部品リードに対応できるかは設計次第です。少なくとも40µ厚のメタルマスクでは難しい状態と思われます。

はんだメーカーは粒子サイズタイプ6を提供していますが、タイプ6は非常に微細な為表面の酸化物が多くなり印刷できても濡れ性に問題が残ります。
特に通常の温度プロファイルでは、フラックスの劣化が進み溶融不良又は溶けたはんだの上に付着した状態での接合になります。又ボイドの問題もあり携帯される製品の品質としては大変不安定な品質になります。

昔の海外の携帯電話ではFPCにCSPを搭載した後アンダーフィルで固めていましたが市場での不良が多く困っていました。生産量が桁違いに多いので全て破棄している状態でした。

量産製品であれば初期投資が多少大きくても対応できますが、ロットが小さい段階では投資も難しく可能であれば現状の設備での量産が求められます。
1月に京都実装技術研究会ではメーカーから0201チップの提供を受け全てを手作業での実験を行いました。

メタルマスクは60µではんだはタイプ6、タイプ4を用いて印刷しました。
はんだメーカーは、窒素リフロー対応を求めていましたが大気リフローで実験しています。
使用はんだのフラックスにより濡れ性が異なりますが、特に重要なのが温度プロファイルの作成です。微細なはんだ粒子と量ではフラックスは直ぐ劣化しますので、フラックスを劣化させずにはんだを溶かす温度プロファイル(上下ヒーターとファンの回転数)を考案しなければはんだは溶けません。
又溶けても微細なはんだボールの発生や濡れ不足が起こっています。

今回のデーターは【エレクトロニクス実装技術3月号】に研究会の松原氏がまとめて投稿される予定です。
なお、引き続きはんだ粒子サイズを大きくし(タイプ5)での実験を行う予定です。マスク開口を変更することで印刷性も改善させる予定です。

ウェアラブル製品の量産は、部品の微細化でその取扱いを含め製品管理まで各種の問題が内在しています。

1)部品搭載
部品の搭載はマウンターメーカー各社が対応をほぼ終えています。

2)はんだ供給
はんだは、タイプ6の微小粒子の提供は可能になっていますが、問題は使用フラックスの選定です。はんだ粒子が微細になると粒子表面の酸化物が増え、その分、余分にフラックスの効果を減少させることになり、部品や基板ランド表面の酸化物を除去する能力(濡れ性)を減退することになります。
フラックスは供給はんだ量の約1/2を占めますので、少ないはんだ量では更にフラックス量は少なくプリヒート段階での劣化が進み、 はんだ粒子の溶融阻害が発生します。

Aは、はんだ全体をフラックスが覆っているのでこのままリフローしても問題はありません。
Bは温度プロファイルの検証が必要です。
Cはフラックスの変更が必要です。

はんだ供給方法

はんだの供給はディスペンサーで十分安定した供給が可能です。
但しシート基板では、その生産性(タクト)の問題が残ります。

印刷機での一括塗布では微細部品ランド部のメタルマスクの厚みが現状では40μ、または60μ程度が提案されていますので、単なる実験では可能ですが同時に搭載される皮下の部品に対してのはんだ供給量に問題が残ります。

製品サイズから推測するにマスク厚は80µ~100µほどであれば全ての部品に対して一括塗布が可能なレベルと思われます。


こちらに掲載しております技術情報は実装アドバイザーの河合一男氏が書かれた内容です。
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